

暮らしと産業を支える日本の海運 日本船の減少は安定輸送に不安も
運輸省海上技術安全局総務課 山口 實

国籍とはなんでしょうか。日本では意法10条に国民の要件の規定があり、国籍法で目本人としての条件と資格が決められています。
国籍の決め方は国によって違います。もし、このふじ丸で赤ちゃんが生まれた場合は、船長さんが名前などを航海日誌に記載して、港に着いた時に日本の大使館に届けることになっています。
船の場合も国籍を持つことや名前をつけ、トン数を測ることが義務づけられています。
日本船舶の要件は船舶法で定められていて、日本の国民が持っている船、株式会社の場合は取締役が全員日本人である会社が持っている船が目本船舶となります。
現在、貨物船が運ぶ世界の海上貿易物資の量は約45億万トンで、この内18・5%の8億3千万トンが日本を中心に動いています。
日本が保有する船腹量は、約2千2百万総トン、約9千7百隻で、世界の6位にランクされています。
世界で一番船を持っているのは、パナマで、以下、リべリア、ギリシャ、キプロス、バハマと続いています。聞きなれない国が多いですが、これは便宜置籍船といつて、船にかかる税金が安いとか、安全基準について厳しくないといった理由で船の籍をこれらの国に置いているのです。これらの船は安全面などで問題があるので、各国が協力して、立入検査を行っています。
目本籍の二千総トン以上の外航船は大変少なくなってきて、10年前、1028隻あったのが、現在ではわずか280隻しかありません。目本に必要な物資を安定して輸送することを考えると、何かことが起きた場合著しい支障をきたします。このため、目本海運の国際競争力を回復するための方策が検討されています。
わずか12歳の女の子が地球の危機を訴えた 世界に広がる愛華ちゃんの熱いメッセージ

小学校6年生の坪田愛華ちゃんは、学校から与えらた環境という課題を、図書館に通い、たくさんの本で勉強して、得意のマンガで表現しました。それがこの「地球の秘密」です。
普通、環境問題というとゴミ問題、リサイクル、森林破壊などが思いうかぶのではないでしょうか。
ところが愛華ちゃんは、なぜか「地球の誕生」から話を始めているのです。
今から46億年前に地球が誕生しました。高熱の地球が少しずつ冷えていき、大量の雨が降り続いて海ができます。やがて地球誕生から約10億年後、海の中に最初の生命である単細胞生物が生まれたのです。
単細胞生物とそれから退化したらんそう類という植物が約30億年という気の遠くなるような長い間、二酸化炭素を吸って酸素をはき続け、地球上は充分な酸素でおおわれました。その間海の中では単細胞生物から魚類が進化。さらに進化した肺呼吸をする両生類が今から約4億年前に、初めて海から陸に上がります。そして爬虫類、恐竜、鳥類や哺乳類へと様々に進化していき、今から約四百万年前に猿人が誕生。旧人を経て、最後にやっと私たち新人が現われます。それは今からわすか十数万年前のことです。
46億年の地球の歴史から見れば、人類の歴史なんてほんの短い時間でしかないのです。そして現在の地球上のすべての生き物は、36億年前の最初の単細胞生物から生まれたもの。「祖先は同じ、みんな同じ「いのち」なんだ」ということがおわかりでしょうか。
事実、私たち人類の遺伝子には、魚や爬虫類だった時代など、各時代の記憶がはっきりと残されています。また、私たちの血液成分は生命誕生当時の海の成分とほば同じといわれ、体温は当時の地球の平均気温と同じだそうです。
「いのちは一つ」ということがわかれば、環境破壊も戦争も人種差別も起きなくなるのではないでしょうか。「いのちは海で生まれた。その海を人間はどんどん汚しているんだ」と、主人公のアースは訴えます。今こうして『母なる海』のゆりかこに揺られている皆さんはどのように感じたでしょう
地球を守るには、『今地球はどうなっているのだろうか」と常に関心を持ち、毎日の生活の中でできることからすぐめること。一日の行動を何かムダがないか、何か工夫できないか、一つ一つチェツクしてみてください。それをみんなすれば、とても大きな結果を生み出します。
愛華ちゃんは、三か月かかってこの本を書き上げた数時間後、脳内出血で亡くなってしまいました。遺作となったの「地球の秘密」は、ご両親が本にして50部印刷し、同級生に配りました。その後、英語、中国語、アラビア語などに翻訳され、世界中の人々に大きな感動をもって読まれ続けていることで、国連の環境賞を受賞しました。
愛華ちゃんは、子供でも地球を守るために世界的な貢献ができるという大きな勇気を私たちに与えてくれました。(抜粋)

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